進化を続ける暗号通貨(仮想通貨)の世界では、セキュリティが大きな重要な課題です。国内の著名な暗号通貨取引所であるコインチェックやDMMビットコインでのハッキング事件は、デジタル金融プラットフォームに存在する脆弱性を明らかにしました。
この記事は以下の疑問を抱いている方におすすめです。わかりやすく解説します。
- セルフカストディとは?
- ハードウェアウォレットとは?
- ビットコインの安全な管理方法とは?
取引所のハッキング ―取引所のビットコインは安全か?
2024年5月、DMMビットコインは数百万ドル相当のデジタル資産が失われる重大なセキュリティ侵害を受けました。ハッカーは取引所のセキュリティインフラストラクチャの脆弱性を悪用し、不正にユーザーアカウントにアクセスし、資金を流出させました。この事件は、暗号通貨業界内で続く高プロファイルなハッキングの懸念を再び浮き彫りにし、中央集権型取引所に資産を保管するリスクを強調しています。
解決策:ハードウェアウォレット
暗号通貨資産を保護する最も効果的な方法の一つは、ハードウェアウォレットを使用することです。
ソフトウェアウォレットとは異なり、ハードウェアウォレットはインターネットに接続されていないため、オンライン攻撃に対して脆弱ではありません。
仮想通貨のハードウェアウォレットとは?
仮想通貨のハードウェアウォレットは、暗号通貨にアクセスするための秘密鍵を安全に保管するための物理デバイスです。メタマスクやファントムなどのアプリやブラウザ拡張型のウォレットは「ソフトウェアウォレット」であり、ハードウェアウォレットとは異なります。
これは、秘密鍵を普段インターネットに繋げずオフラインで保管することで、オンライン上の脅威から保護する安全な金庫として機能します。トランザクションが必要な場合は、ハードウェアウォレットをコンピュータまたはスマートフォンに接続し、PINを入力し、デバイス上でトランザクションを確認します。
コールドウォレットとの違い
ハードウェアウォレットはコールドウォレットの一種ですが、コールドウォレットとは具体的に何を意味するのでしょうか?コールドウォレットとは、インターネットから完全に切り離された状態で秘密鍵を保管するウォレットのことを指します。これにより、オンライン攻撃やハッキングのリスクを大幅に減少させます。
コールドウォレットには以下の2種類があります:
- ハードウェアウォレット:物理デバイスを使用して秘密鍵を保管します。トランザクション時に一時的にオンラインに接続されますが、通常はオフラインで保管されるため、高いセキュリティを提供します。※厳密に言うと、ハードウェアウォレットはインターネットにつなげている間は「ホットウォレット」状態とも言えるでしょう。またメタマスクなどのソフトウェアウォレットもインターネットに繋げていない端末にインストールしている場合は「コールドウォレット」といえると思います。
- ペーパーウォレット:秘密鍵を紙にメモして保管します。印刷する方法もありますが、これはプリンターに記録が残るため、手書きの方が良さそうです。秘密鍵は完全にオフラインで、デジタルデバイスに保存されないため、ハッキングのリスクはほぼゼロですが、物理的な損傷や紛失のリスクがあります。
セルフカストディ(自己管理)の重要性
セルフカストディ(自己管理)は、暗号通貨資産のセキュリティを強化するための重要な概念です。セルフカストディとは、自分自身のデータや資産を第三者に依存せず、自分自身で管理することを意味します。これには、秘密鍵を管理し、自分のウォレットで暗号通貨を保管することが含まれます。
セルフカストディの利点は以下の通りです:
- 完全なコントロール:第三者に資産を預ける必要がないため、取引所の破産やハッキングによるリスクを回避できます。更に、預金封鎖など、国による財産の徴収
- プライバシーの保護:自分の資産を自分で管理することで、取引のプライバシーが向上します。
- セキュリティの強化:秘密鍵をオフラインで保管することにより、ハッキングやマルウェアからの攻撃を防ぎます。
ハードウェアウォレットの利点
- 強化されたセキュリティ:秘密鍵をオフラインで保管することで、ハードウェアウォレットはハッキング、マルウェア、フィッシング攻撃に対する強力な防御を提供します。
- ユーザーコントロール:ハードウェアウォレットを使用することで、ユーザーは秘密鍵を完全にコントロールでき、取引所のハッキングによる資産喪失のリスクを減らします。
- 互換性:ほとんどのハードウェアウォレットは幅広い暗号通貨に対応しており、一つのデバイスで複数の資産を安全に保管することができます。
人気のあるハードウェアウォレット
強力なセキュリティ機能と使いやすさで、暗号通貨コミュニティで人気を集めているハードウェアウォレットがいくつかあります。ここでは、最も有名なハードウェアウォレットを3つ紹介します:
Ledger Nano X
Ledger Nano Xは、ハードウェアウォレット業界のリーダーであるLedger社のフラッグシップ製品です。USBのようなコンパクトさのLedger Nanoは持ち運びしやすく、ビットコイン以外にも5,500以上の仮想通貨とトークンに対応し、モバイルデバイスとの便利な使用のためにBluetooth接続を提供します。スリムなデザインと強力なセキュリティ機能を備えたLedger Nano Xは、初心者から経験豊富なユーザーまで幅広く選ばれています
Trezor Model T
Trezor Model Tは、Ledger社と並び、暗号通貨のセキュリティで先駆的な役割を果たしているTrezor社のハードウェアウォレットです。Ledger Nanoよりも少し大きいTrezorは見やすいタッチスクリーンインターフェースを搭載し、ビットコインはもちろん9,000を超える多様な仮想通貨に対応しています。Trezor Model Tは、複数の人気ウォレットやサービスと統合されており、柔軟性とセキュリティを提供します。
まとめ
DMMビットコインでの最近のハッキング事件は、暗号通貨資産のセキュリティの重要性を強く示しています。取引所はセキュリティ対策を強化し続けていますが、資産を保護する最も安全な方法は個人の責任を果たすことです。セルフカストディを実践し、ハードウェアウォレットを使用することで、オンライン上の脅威から秘密鍵とデジタル資産を安全に保護することができます。
信頼できるハードウェアウォレットに投資することで、ハッキングによる資産喪失のリスクを大幅に減らすことができます。暗号通貨の世界を進む中で、セキュリティを優先することで、安心してこのエキサイティングな分野を探索することができます。